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海外での結婚式のご祝儀について考える際は、国内挙式とは異なった視点が必要になります。新郎新婦が旅費を負担するか否か、様々なケースごとに対応例をご紹介します。
■目次
人生の一大イベントである結婚式だからこそ、お世話になった方々や大切な人たちに祝福される華やかな式に憧れる人は多いでしょう。特に海外での挙式はひときわ素敵なシチュエーションと言えます。自分の友達や同僚が海外挙式するとなれば、ぜひ大いに祝福して盛り上げたいものです。ここでは海外挙式でのご祝儀の通例について紹介します。
「ご祝儀」とは元々、広く祝いの儀式を意味し、特に結婚の祝いそのものを指します。しかし結婚式の文脈では、お祝いの気持ちを込めた金品、贈り物、引き出物を意味するのが主となります。実はお金以外にも贈り物全般がご祝儀に当たりますが、金銭の形をとるのが一般的です。その場合には割れない数にする(割れることから今後の破局を予測させるため)といったマナーを聞いたことがある人も多いでしょう。
ご祝儀とは、お祝いの気持ちを伝える役割があるのもさることながら、用意してもらった料理や企画への感謝の気持ちを示す意味もあります。それゆえ結婚式であっても式だけの簡素な形のものであればご祝儀の相場も低くなる傾向です。海外挙式の場合は、新郎新婦の旅費の負担によってご祝儀の有無や金額が変わることが多いようです。そのため新郎新婦は旅費の一部を負担するか、各自で負担してもらうかを事前に決めて早めにゲストには伝えることが大切です。招待されたゲストはご祝儀を用意する場合、日本の結婚式と同程度もしくは旅費の負担額によって何らかの気持ちを表すことをおすすめします。
渡航費や宿泊費、場合によって現地の移動交通費といった諸費用を新郎新婦が全額負担してくれる場合には、参加者側からもご祝儀を渡すのが基本です。参加者にとって海外挙式出席の主なコストは旅費であり、この部分を負担してもらえるなら大きな負担減になります。新郎新婦も参加者を気遣って負担を判断しています。参加者は新郎新婦の気遣いともてなしの一つとしてそれを受け取り、代わりに祝福と招待への感謝を込めて気持ちを贈り返しましょう。
ご祝儀をお渡しする場合、相場は国内挙式と大きく変わりありません。この場合は基本的には国内挙式とご祝儀の額は同じと覚えておきましょう。
ただし、ご祝儀の相場は国内・海外挙式を問わず新郎新婦との関係性や自身の年齢や立場によっても異なりますので注意しておきましょう。
一方、新郎新婦が旅費を負担しないこともあります。海外挙式の場合はこのケースが最も多いようです。新郎新婦としては、「旅費は自己負担にはなってしまうけれど、それでも良かったら出席してほしい」という気持ちだと思います。この場合には、参加者側も出席だけでかなりの負担になるので、一般にご祝儀は渡さなくとも構いません。参加者の立場から見ると、知人の大事な晴れ舞台に身一つで行くのは少し気が引けるかもしれません。しかし新郎新婦側も旅費が大きな負担であるとわかって招待しているので、この場合は出席だけでも十分祝福の気持ちを示すことができます。
そのため海外挙式の場合は、新郎新婦は参加者には事前に案内をしておくとよいでしょう。もちろん重ねてご祝儀を持っていくこともマナー違反ではなく、むしろ新郎新婦からも喜ばれるので、新郎新婦との関係性なども考慮し検討しましょう。
また新郎新婦が旅費の一部を負担するという場合もあるようです。 この場合でも、新郎新婦が参加者の金銭事情を慮ってくれているので、参加者側も厚意に応えご祝儀は渡した方がよいでしょう。金額面では国内披露宴の一般的な金額より多少減額しても失礼にはあたりません。参加者側も多少の旅費がかかるため、新郎新婦の旅費の負担額に応じて適宜調整しましょう。
どうしても避けられない用事や急な仕事、体調不良等と不慮の出来事により出席できない場合があります。海外挙式は参加者を絞って少数で行なわれることが多く、招待は親密さや敬意の表れでもあります。そのため断るのは申し訳なく感じる人もいるでしょう。しかしながらやむを得ず参加ができない場合は失礼にならない形で丁重に欠席の返事をしましょう。返事をする際は結婚への祝意も伝えるのが一般的なマナーです。もし一度参加と回答してから欠席せざるを得なくなった場合には、新郎新婦が準備しているセッティング等に支障が生じキャンセル料が発生する可能性もありますので、それらに配慮しなるべく早めに連絡することが重要となってきます。
もし以前に新郎新婦を自らの式や披露宴に招きご祝儀をもらっているのであれば、自身の出席の可否に関わらずご祝儀を贈るのが一般的です。この際の相場は新郎新婦側に貰ったご祝儀と同額程度で良く、欠席するからと言って過剰に高額なものを贈る必要はありません。またこの場合、例え新郎新婦の結婚式に招待されなかったとしても(海外挙式の場合は人を呼びにくいのでこういったことも十分起こり得ます)、事前に開催を知ることができれば、自分からご祝儀を贈っておく方がスマートです。
一方、新郎新婦とこれまで特にお互いご祝儀を贈るようなことが無かったのであれば、一般的な相場の半額程度のものを贈ることで丁寧にお断りするのがスマートです。招待を断る立場である以上、お祝いの意味をこめて何かを贈る方が丁寧ですが、新郎新婦との間柄によっても異なりますので、お互いの関係性に応じてどうするか判断すると良いでしょう。
最近では挙式を海外で行った後、日を改めて国内で披露宴形式のパーティーや1.5次会、2次会を開催するスタイルが人気になっています。海外での結婚式は予算やスケジュールの関係もあるので家族・親族などの少数にのみ出席してもらい、帰国後に海外挙式に参列できなかった友人達を招待して行う形式です。
このような会に招待された場合は形式についてに注意しましょう。海外挙式に参加しておらず「披露宴」という形式で招待された場合、料理も引き出物も用意されていることが予測されます。この場合一般的な国内披露宴の相場と同程度のご祝儀を贈る必要があります。
一方「1.5次会」「2次会」などと冠されていて比較的軽いセミフォーマルな雰囲気であれば、新郎新婦から通達のきた会費だけ払えばよいこともあります。それでもご祝儀を用意することが禁じられているわけではありません。なるべく用意した方が喜ばれることは事実です。
特に海外挙式は結婚式自体に参加した人が少なく、大多数の参加者はお披露目パーティーが初めてのお祝いの場になるので、マナー上では必須でない場合でも、状況を判断して臨機応変に対応した方が無難です。招待状にもご祝儀の必要の有無に言及がないか確認しておきましょう。
一方で、もし海外挙式に既に参加していてそれなりの額のご祝儀も贈り済みの場合であれば、2度ご祝儀を渡す必要はないでしょう。こうした場合は追加のご祝儀を持参せずともマナー違反にはなりません。もちろん重ねて贈ること自体はタブー等ではありませんから、気持ち次第では更に用意しても構いません。
ご祝儀の相場もパーティーの形式や海外挙式への招待の有無に関わります。まずその会が会費制(参加者は指定された会費を支払う)かご祝儀制(参加者は自身の判断に基づきご祝儀を持参する)かで異なります。 会費制の場合は概ね10,000円~前後が相場となり、8,000円~15,000円程度に収まるのが一般的です。もし会の形式が一般的なレストランでゲストと楽しむといった二次会のような形ならば低予算になることもあります。同じような会場でも業者も呼んで余興も企画して本格的にパーティー形式として行われれば高めになる可能性もあります。立食形式なのか着席形式なのか、またコース料理かブッフェスタイルなのかといったパーティースタイルによっても相場が変わる要因です。 どのような形態であっても会費制の場合は、ご祝儀の作法とは異なり参加者一律額での負担となります。一方ご祝儀制の場合は、一般的な結婚式に持参するご祝儀の相場と考え方は変わりませんが、特筆して招待状に言及がある場合はそちらに従いましょう。
海外挙式やお披露目パーティーに招待された場合、ご祝儀には状況に応じて金額の調整が求められます。自らの出席の可否や会の形式などを総合的に判断して、マナーに反さない振る舞いを心がけましょう。しかし最も重要なことは、新郎新婦との関係性に応じた祝意を示すということです。マナーや習慣に従うのは確かに重要ですが、渡すものが少し間違ってしまったとしてもご祝儀を通じて新郎新婦を祝う気持ちを伝えれば、それがあなたにとってのお祝いの気持ちであることに変わりありません。祝いの気持ちに応じた振る舞いを欠かさないようにしましょう。